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【株式投資はココを見る】初心者必見!損益計算書の見方

こんにちは、おおくまモン(@okumamon777)です。

今回は、ファンダメンタルズ分析の一つである損益計算書に関して、私なりの見方や分析ポイントを紹介します。

この記事は以下の悩み・疑問を持つ方が対象です。

損益計算書の見方がわからない
損益計算書についての記事は色々あるけど、実際どうやって株式投資に活かすの?

結論からいうと、損益計算書の見方がわかれば、株式投資の視点から以下のことが理解できます。

  • 企業の成長性
  • 今後も伸び白があるか

チャートを読み解くテクニカル分析だけでは、企業の実態が読めないため、突然のニュースで一気に暴落してしまう可能性があります。

そのため、損益計算書など企業の実態がわかるものを分析することで、事前に「成長性のある企業・危険な企業」を絞り込むことが出来ます。

ということで、さっそく説明を進めます。

損益計算書とは

はじめに、損益計算書の説明からはじめます。2点あります。

  1. 財務3表の1つ
  2. 企業の実績(収益と費用)

それぞれ説明します。

損益計算書は財務3表の1つ

損益計算書は財務3表のうちの1つで、企業の一定期間の収益と費用をあらわしたものになります。

財務3表とは、株主や銀行などの利害関係者に対して、企業の財政状態や経営成績を報告する財務諸表のことを言います。

いわゆる「決算書」というものです。

財務3表は以下の3つで構成され、損益計算書はその1つになります。

  • 貸借対照表:財務状態をあわらす
  • 損益計算書:経営成績(儲け)をあらわす
  • キャッシュフロー計算書:お金の出入りをあらわす

企業の実績(収益と費用)がわかる

損益計算書とは、企業の一定期間の収益と費用をあらわしたものです。

また損益計算書では、収益を大きく5パターンに分けております。

  1. 売上総利益
  2. 経常利益
  3. 税引前当期純利益
  4. 当期純利益

●売上総利益
売上高から売上原価を差し引いた利益、粗利益ともいう
※売上総利益 = 売上高 - 売上原価

●営業利益
会社が営業活動(本業)で稼いだ利益
※営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

●経常利益
会社が営業活動(本業)以外で”平常的に”稼いだ利益
※経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用

●税引前当期純利益
法人税などの税金を支払う前に稼いだ利益
※税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失

●当期純利益
税引前当期純利益から税金を差し引いた最終的な利益
※当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税等

以上のように5パターンの利益があります。

それぞれの利益を見ることで、「売上、利益あがってるじゃん、いい企業だねー」といった曖昧な分析ではなく、

「どこに成長要因があったのか、どこに問題があったのか、今後ともこの利益は続きそうなのか」など詳細に知ることが出来ます。

以上が、損益計算書の説明です。


損益計算書の見方

それではここから具体的に損益計算書の見方を説明します。

  • 売上総利益
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 税引前当期純利益
  • 当期純利益

の5つに分けて説明します。

また収益や費用項目に関して、細かくありますが、一度に全て覚える必要はないです。

損益計算書の分析を通して、徐々に覚えれば大丈夫です。

①売上総利益

売上総利益とは「売上高から、売上原価(仕入れ価格)を差し引いた利益」で、粗利益ともいいます。

売上総利益 = 売上高 - 売上原価

で算出されます。項目としては

  • 売上
  • 売上原価

の2つのみになります。

売上は損益計算書の一番上にあるとおり、利益の生み出すための大きな源泉になります。

②営業利益

営業利益とは「会社が営業活動(本業)で稼いだ利益」です。

売上総利益から「販売費及び一般管理費(販管費)」を差し引いて算出されます。

営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

「販売費及び一般管理費」とは人件費や広告費など、仕入れ以外に商品を売るためにかかった費用です。

主項目は以下です。

【販売費及び一般管理費の主な項目】
🔹 人件費
🔹 広告宣伝費
🔹 販売促進費
🔹 販売手数料
🔹 運搬費
🔹 減価償却費
🔹 地代家賃
🔹 研究開発費

③経常利益

経常利益とは「会社が営業活動(本業)以外で稼いだ利益」です。

主に、財務活動から得られます。

営業利益に「営業外収益」を加え「営業外費用」を差し引いて算出されます。

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用

営業外収益と営業外費用の定義ば以下ですが、”平常時(常に発生する)”というところがポイントです。

●営業外収益
営業活動(本業)から外れているが、平常時の活動から生まれる収益

●営業外費用
営業活動(本業)から外れているが、平常時の活動から生まれる費用

営業外収益・費用の主項目は以下です。

【営業外収益の主な項目】
🔹 受取利息
🔹 受取配当金
🔹 有価証券売却益
🔹 為替差益
🔹 雑収入

【営業外費用の主な項目】
🔹 支払利息
🔹 社債利息
🔹 手形売却損
🔹 有価証券売却損
🔹 為替差損
🔹 雑損失

④税引前当期純利益

税引前当期純利益「法人税などの税金を支払う前に稼いだ利益」です。

経常利益に、「特別利益」を加え「特別損失」を差し引いて算出されます。

税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失

また「特別利益」と「特別損失」とは「会社が営業活動(本業)以外で”臨時的に”稼いだ損益」のことを指します。

「営業外収益」や「営業外費用」と異なるところは、どちらも営業活動(本業)以外の損益ですが、”臨時的に”発生する損益」というところです。

たとえば、不動産などの固定資産売却益。

不動産を売却してしまえば臨時的な収益になりますが、今後同じ収益は見込めません。

主項目は以下です。

【特別利益の主な項目】
🔹 固定資産売却益
🔹 貸倒引当金戻入益
🔹 子会社株式売却益

【特別損失の主な項目】
🔹 固定資産売却損
🔹 固定資産除却損
🔹 災害損失
🔹 盗難損失

⑤当期純利益

当期純利益は、会社が最終的に稼いだ利益です。

税引前当期純利益から、「法人税などの利益にかかる税金」を差し引いて算出されます。

当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税等

主項目は以下です。

【法人税等の項目】
🔹 法人税(法人所得税)
🔹 法人住民税
🔹 法人事業税

以上が、損益計算書の説明と見方になります。

損益計算書の分析を通して、徐々に覚えればと思います。


おれ流!損益計算書の分析ポイント

それでは、私が株式投資をするときの、損益計算書の分析ポイントを説明します。

※今後、改善に伴い分析ポイントをアップデートする可能性があります。その際は本記事も更新します。

損益計算書分析のポイントとして、以下2点を掲げてます。

  • 収益構造がしっかりしているか
    • 利益率が高いビジネスか
  • 今後も成長が見込めるか
    • 成長率が年々上がっているか

この2点を確認するために損益計算書で分析するポイントは、以下6種類あります。

  1. 売上総利益(粗利)
    • 粗利率が40%以上
  2. 営業利益
    • 販管費が”継続的”に低く粗利の30%以下
    • 研究開発費が多すぎないこと
    • 減価償却費が少ないこと
  3. 経常利益
    • 支払い利息が営業利益の15%以下
    • 営業利益≒経常利益(営業外損益なし)
  4. 税引前当期純利益
    • 特別収益や特別費用がほぼない
  5. 当期純利益
    • 売上のうち10%~20%以上
  6. 売上・営業利益・当期純利益が年々上昇
    • 3つともに前年比10~20%以上
    • 成長率が落ちてきたら要注意

多いですが、全て重要です。

全部該当する必要はありませんが、多いほど良いです。

では、それぞれ説明します。

①売上総利益(粗利)

売上総利益に関しては1つです。

売上高総利益率(粗利率)が40%以上

売上高総利益は売上から原価を引いて算出しますが、原価が高ければ、最終的な利益が残りません。

たとえば200円のジュースが売れたとして、仕入原価が150円だとすると、売上高総利益はたったの50円(売上高総利益率25%)になります。

ここから、人件費や光熱費など差し引くと、赤字になりやすいでしょう。

優良企業は価格競争で利益率が低いビジネスをせず、競争優位性を活かし、高い利益率を生み出せます。

売上高総利益率の目安として40%以上あれば良しとしています。

②営業利益

営業利益は3つあります。

販管費が”継続的”に低く、粗利の30~50%以下

競争優位性が高い優良企業は、高い販管費に苦しめられることなく、利益を生み出します。

そのため販管費は低い傾向にあります。目安としては粗利の30~50%以下です。

また安定した収益を生み出すため、販促費も継続的な水準になります。

一方、競争優位性が低い企業は、所属業界の激しい意競争に巻き込まれます。

原価を低くするために多額の設備投資や、商品を何度も改善する必要があるため、多額の研究開発費を捻出することがあります。

その結果、販管費の上下が激しく利益が不安定になります。

研究開発費が多すぎない

上記の通り、ビジネスモデルが安定しており、競合優位性が高いため、多額な研究開発費はなく、一定の研究開発費用で済みます。

減価償却費が少ない

減価償却費があるということは、何か大きな設備投資をしたということですが、

この減価償却費が大きいとは、設備投資が大きい(=所属業界の激しい意競争に巻き込まれいる可能性が高い)と判断します。

そのため、減価償却費が継続的に少ないことを理想としてます。

③経常利益

経常利益には3つあります。

営業利益≒経常利益(営業外損益ほぼ無し)

経常利益は、営業利益に営業外損益を加えます。

優良企業は営業外損益がほぼ無く、「営業利益≒経常利益」となります。

営業外損益が無い理由として、優良企業は、本業の営業活動に注力しているためです。

営業外でちょこちょこ稼ごうとせず、強みである本業に一転集中するからこそ、成長し続けます。

そのため、営業外損益は無く「営業利益≒経常利益」となります。

支払い利息が営業利益の15%以下

営業外費用に「支払い利息」があります。

この支払利息が、営業利益の15%以下であることが望ましいです。

優良企業は優れた財務状態のため、その分(借金で発生した)支払利息が少ないからです。

一方借金が多い企業は、毎年多額の元本や利息の返済があるため、その分利益が圧迫されます。

④税引前当期純利益

税引前当期純利益は1つです。

特別収益や特別費用がほぼない

税引前当期純利益は、経常利益に「特別収益」を加え「特別損益」を差し引きします。

しかし、「特別収益」や「特別損益」は一時的なものでしかなく、企業の本来の実績を表さないため、分析の際はこれらを除外します。

たとえば、「営業利益」や「経常利益」がマイナスだが、「特別収益」が大きなプラス(土地を売却したなど)になった結果、「税引前当期純利益」がプラスになっても、本業がマイナスなのでダメです。

また次の損益発表の時に、「特別収益」がない場合、「税引前当期純利益」が大きくマイナスになる可能性が高いです。

⑤当期純利益

当期純利益に関しては1つです。

当期純利益は売上のうち10%~20%以上

優良企業は売上に対する費用か少なく、商品の利益率が高いので、最終利益である当期純利益の割合が大きくなります。

目安としては10%~20%以上です。

これより少ない場合、「利益率が少ない」もしくは「競争力が高い」業界に属している可能性があり、優良企業がなかなか生まれません。

⑥売上・営業利益・当期純利益が年々上昇

以下2点がポイントです。

3つともに前年比10~20%以上

株価が上昇する企業とは、基本的に「成長し続ける企業」です。

すなわち、「売上・営業利益・当期純利益」の3つとも上昇が継続すると、株価も上昇する傾向にあります。

どの1つも欠けてはいけません。株価が下がる可能性が高くなります。

1つでも欠けると、以下のように判断され、株価が下がる可能性が大きいです。

●売上が落ちる
→これ以上、売上拡大しない。成長に限界が来たと判断。

●営業利益が落ちる
→本業の収益構造に問題が発生、今後にも影響がある可能性あり。

●利益が落ちる
→全体の収益構造に問題が発生、今後にも影響がある可能性あり。

成長率が落ちてきたら要注意

これまで「売上・営業利益・当期純利益」が高い成長率で推移していたが、

年々もしくは毎期ごとに低くなると、株価が急落する傾向があります。

これまで高い成長率で、今後の期待もあり株価がうなぎのぼりでしたが、成長に落ち目がでると、今後の成長が見込めないと判断します。

そうなると株価上昇がとまり、急落するという流れになります。

そのため、成長率が落ちてきたら注意するようにしましょう。

以上が、損益計算書分析のポイントでした。


クイズ

最後に、これまで説明したことを元に、2択クイズを出します。

トレードに正解はないですが、私の手法を正解とする場合、

次の2銘柄のうち、どちらが買い銘柄として正解でしょうか。

正解は

なんと

①でした。理由としては以下です。

    • 売上高・営業利益・当期純利益の成長率が継続して高い
    • 営業利益≒経常利益
    • 支払い利息が営業利益の15%以下
    • 当期純利益率が売上の10~20%以上
    • 営業利益の成長率が落ちてきているので×

まとめ

以上が損益計算書と見方と分析手法についての説明でした。

最後に話しの腰をおりますが、株式投資をする上で、

損益計算書などのファンダルズ分析だけ勉強しても勝てません。

下図のように、テクニカル分析など、複合的に分析することが必要です。

片方だけに依存すると、

テクニカルが良くてファンダメンタルズが悪い
➡︎悪材料で一発退場

ファンダメンタルズが良くてテクニカルが悪い
➡︎既に大衆が気づいており、株価が上がりきっている

というようなパターンにいつか必ず陥るからです

そうならないよう、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の両方を習得する必要があります。

このブログでは、そういった私なりの投資手法について記載するので、是非ご参考ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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